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中部、関西電 スマートシティモデル事業に参加

 中部、関西両電力は今年度より、国交省の委託を受けて「全国の牽引役となるスマートシティ(SC)の実現を目指したモデルプロジェクト」(同省SCプロジェクトチーム事務局)の取り組みを開始する。同事業は、ICT(情報通信技術)などの先進技術と、官民がそれぞれ有する知見・データを組み合わせて「全国で現在、浮上している高齢化や地域インフラなどの社会課題を、SCのスキームを用いて社会実装につなげることで解決する」(同)ために、全国15の自治体と民間、大学の産学官が協力して、事業化の実現につなげるためのモデルプロジェクトとなるもの。このうち中部電が、愛知県春日井市や名古屋大学、名鉄バスなどと共同で行う「高蔵寺ニューモビリティタウン実行計画」は、合理化により近年減便される傾向にあるバスなどの公共交通を、相乗りタクシーや自動運転バス、パーソナルモビリティで代替すると共に、地域の生活を支える駐車場・地域見守りシステム・ゴミ収集―などのエリア・マネジメントを充実させて、市内転入者数のアップと空き家数の軽減を図る―という地域活性化に向けた取り組み。
 一方、関西電が京都府や木津川市、国際電気通信基礎技術研究所、NTT西日本などと共同で行う「スマートけいはんなプロジェクト実行計画(けいはんな学研都市)」は、新たなデータプラットフォームを構築して、交通手段の充実と併せて、多様なサービスを住民に提供して、高齢者の外出機会を創出することで地域の振興につなげる―という取り組み。具体的な年次目標として、22年度以降を目処に、府内の関西電の電柱に「吊り宅配ボックス」を装備して、府民や流通事業者の利便性向上に協力するほか、23年度以降を目処に、AIデバイスの利用登録世帯を「府内全世帯の10%に拡大した上で、同デバイスを用いた新規ライフ・サポート・サービスを開始する予定」(府)という。なお、中部、関西両電力は、両プロジェクトに参加・協力する唯一のエネルギー事業者として、いずれも重要な役割を担う。