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経産省 災害時における行為規制の例外を明確化

 経産省は、電力システム改革の最終段階となる発送電分離の実施を踏まえて、送配電事業者に対する行為規制の例外について明確化を図る。発送電分離により今月から、送配電事業者には行為規制が施行されることとなる。一方で災害などの緊急時に、送配電事業者がグループ内の発電・小売り事業者と連携して復旧作業に取り組むことは、省令において行為規制の例外に位置付けられており、同省は今後の災害時に、各電力が躊躇なく的確に復旧活動に取り組めるよう、同例外に関する解釈をガイドラインなどで明確化させる考えを示した。昨年9月に発生した台風15号に伴う停電被害に対して、16年に送配電部門を分社化した東京電力は、グループ間の連携により、部門を跨いで対応。東電エナジーパートナー(EP)をはじめ東電ホールディングス(HP)、東電フュエル&パワー(FP)、JERAなどの社員を東電パワーグリッド(PG)の事業所や地方公共団体に応援派遣し、ホームページで停電解消済みとしているエリアでの、戸別停電解消のための情報収集や復旧作業に従事させた。また、復旧が遅れている停電エリアでのポータブル発電機やランタンなどの物資支援活動にもこれらグループ各社が参加したほか、コールセンターには、東電EPに加えて、東電PG・HDの社員を投入し、通常の10倍程度に膨らんだ需要家からの問い合わせに対応した。

 こうした災害時の経験を踏まえて同省は、行為規制の例外として明確化が必要な事項を提案した。具体的には、各一般送配電事業者が、防災業務計画に基づいて非常態勢をとる「災害等緊急時」において、発電・送配電・小売り事業者による一体的体制を機能させるため、平常時の訓練・情報共有や非常災害発生前の準備行為をはじめ、停電受け付けなどのコールセンター業務、リエゾン派遣、物資支援活動といった送配電事業者による復旧業務を、小売り・発電事業者が支援することを、例外として明確化。また、他電力エリアへのグループでの応援のほか、発電・小売り事業者が送配電事業者の応援に入った場合に、両事業者の長を兼ねる持株会社の社長などが、送配電事業者における長の上位となって意思決定や指揮命令ができることを示す。