経産省 持続可能な資源循環へ30年目処に研究開発
経産省は来年度から、NEDOを研究推進法人として、地球環境の再生に向けた、持続可能な資源循環に関する研究開発に乗り出す。同取り組みは、日本初の「破壊的イノベーション」の創出を目指して内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」に基づくもので、同府は従来技術の延長に無い、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発「ムーンショット」を推進するための目標を設定。同目標のうち同省は、50年までに、地球環境の再生に向けた持続可能な資源循環を実現―の達成に向けて、今後10年間にわたり研究開発を推進するもの。具体的には、地球温暖化問題の解決「クールアース」と、環境汚染問題の解決「クリーンアース」を目指して、50年までに資源循環技術を用いた商業規模のプラントや、製品の世界的な普及を図る。
これらの取り組みを実行するため同省は、クールアースについて、30年までに温室効果ガスに関する循環技術を開発し、ライフサイクルアセスメントの観点からも有効であることを、パイロット規模で確認。クリーンアースに関しては、同年までに、環境汚染物質を有益な資源に変換・無害化する技術を開発し、パイロット規模または試作品レベルで有効性を確認する考え。同研究開発を担務するNEDOはこのほど、同研究開発事業の公募を開始し、地球温暖化問題や環境汚染問題の要因となっている物質のうち、広く環境に拡散された物質、または低濃度な状態で環境へ放出される物質といった、従来技術では回収が難しい物質を対象に、これらの物質を回収し有益な資源に変換、分解・無害化する技術に関する研究開発提案を募集する方針を提示。明日27日から来月16日まで、全国10か所で公募説明会を実施した上で、4月20日に公募を締め切り、審査を経て7月上旬にも委託先を決定する。事業に必要な予算は、研究開始から5年分の予算として、これまでに204億円の基金が造成されており、同公募では1プロジェクトあたりの上限額は定めずに、複数プロジェクトを採択する予定。
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