エネ庁 電気計量制度の合理化へ適用除外を設定
経産省エネ庁は、家庭用太陽光やEVなどの普及に伴って生じる、電気の新たな取引ニーズを踏まえて、電気計量制度の合理化スキームを導入する。既報の通り、これらの新たな取引では、パワーコンディショナやEV充放電設備などを通じて、電気計量することが想定されており、計量専用の機器ではないこれらの多様な機器への対応が求められている。そのためエネ庁は、これまでの議論において、制度の合理化の観点から、家庭などの分散リソースを活用した新たな取引に限って、計量法規定の適用除外とする考えを示しており、需要家保護を担保する仕組みの構築に向けた検討を加速する。具体的には、アグリゲーターなどの事業者が、同規定の適用除外を受けて取引・証明を行うにあたって、事業者は事前に経産大臣に届出を行い、必要に応じて国などが事業者に報告徴収を求めると共に、立ち入り検査ができる仕組みを構築する。届出の内容が省令などで定める基準を満たさない場合や、届出内容が遵守されていない場合は、取引中止命令や罰則の対象とする考え。
同適用除外に関してエネ庁は、取引規模が大きくなるほど、精度の高い計量器を用いることを求める現行法を踏まえて、500㎾未満の取引を対象とすることが適当―との考えを示しており、規格などがある場合は、各規格が定める上限に従い、500㎾以上でも可能とする。また、基準とする計量精度は、±5%程度を基本にすると共に、パワーコンディショナや充放電器といった機器ごとに業界規格があるものについては、柔軟に設定できる仕組みを導入。また、現行の計量法では原則認めていない、複数の電力量計の差分の値を、電力量の証明・取引に用いる「差分計量」についても、事業者が需要家などに対して、複数の計量機器の差分を使用することによる計量精度の低下影響などを説明した上で、合意を得ることを条件に認める見通し。