経産省 電力小売りの消費者相談が前年比50%増
経産省は、同省の電力・ガス取引監視等委員会をはじめ、国民生活センター、各地の消費者生活センターへの電力の小売りに関する相談が今年、さらに増加したことを明らかにした。内閣府消費者庁が今年4月に、電力の小売り分野で消費者を欺罔する電話勧誘や契約を行ったとして、小売り事業者のあくびコミュニケーションズ(東京都渋谷区)に対して、特定商取引法に基づく一部業務の停止を命令。さらに6月にもファミリーエナジー合同会社(同中央区)に同様の処分を実施しており、これらの事態の影響もあって、今年1~9月までの国民生活センターと消費者生活センターへの電力小売りに関する消費者相談件数は4502件となり、前年同期の3094件から大幅に増加した。監視委への相談も前年同期815件から今年は1214件と約50%増加しており、○マンション全体で電力会社が変わると事業者に説明され、お客様番号を伝えた、○電話勧誘販売で勧誘されて断ったものの、申し込み完了の書面が届いた、○料金プランについて十分な説明がされなかった、○社名を名乗らずに営業が行われた、○料金が同じ月に複数回引き落とされた、○事業を撤退する事業者から契約解除の通知が届いた―などの相談が消費者から寄せられた。
16年に全面自由化を開始してから3年半以上が経過した電力の小売りと同様に、翌17年度に全面自由化が始まったガスの小売りに関しても、消費者から引き続き多数の相談が寄せられており、同省は消費者庁、国民生活センターと共に、このほど消費者に対する注意喚起を行った。具体的には、○料金のプランと算定方法について、事業者から十分に説明してもらう、○勧誘してきた会社と、新たに契約する会社の社名や連絡先を確認する、○検針票の記載情報は慎重に取り扱う―ことなどを助言。さらに、契約変更後のクーリング・オフや、複数回の引き落としに対する対応について説明すると共に、契約している会社が事業撤退した場合は、早めの切り替え手続きを行うことを消費者に求め、困った場合は監視委の相談窓口または最寄りの消費者生活センターへ、速やかに相談することを勧めている。