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東電HD 本社ビルの建て替えで大規模再開発

 東京電力ホールディングス(HD)は、東京都千代田区の現本社ビルを建て替える。建て替えは、972年に竣工した同ビルの経年化対策であると共に、グループ大で進める社有地の有効活用を目指した措置で、東電HDと共に、区内の「内幸町一丁目街区」を形成する、三井不動産やNTT都市開発、第一生命、区などとの官民共同で取り組む「20年東京五輪・パラリンピック後における都内最大規模の再開発プロジェクトとなる」(区)大規模事業。同プロジェクトについては、区が990年に策定した「内幸町一丁目地区計画」の整備方針(都心地域のエネルギー供給及び省エネルギーと都市公害抑制のため、拠点変電所施設等を設置する)に基づき、11年に、同街区と同街区の北側に位置する「有楽町一丁目街区」の2街区の将来像となる「日比谷エリアまちづくり基本構想」がまとめられ、同年より東電HDと前記3社を含めた約10の地権者企業が行う勉強会で再開発事業のアウトラインを決定。この一環として昨年、再開発プロジェクト「東京ミッドタウン日比谷」が開業した。
 これに続いて東電HDなどは、ミッドタウン日比谷の南側に立地する、内幸町一丁目街区での本社ビル建て替えを含めた再開発構想の実現を目指した検討を進めるため、区をメンバーに迎えた官民検討組織「まちづくり勉強会(仮称)」の創設を立案。区の快諾を得てこのほど、同会の立ち上げを決めると共に、年内での第1回会合の開催に向けて現在、日程の調整を行っている(同会の事務局は都が務める予定)。再開発の対象となる内幸町一丁目街区は、東電HDの本社ビルのほか、三井不動産の関連施設(帝国ホテルや日比谷U-1ビル)、みずほ銀行の内幸町本部ビルなどが立地し、西側に都立日比谷公園、東側はJRの新橋・有楽町両駅にそれぞれ隣接するなど、交通アクセスと環境性が極めて良好な都心の一等地。具体的な再開発の事業フローなどについては、新設する、まちづくり勉強会が中心となって固めていく方針だが、素案では、東電HDの本社ビルから帝国ホテルまでを含めた区域面積6ha超の一体開発を進め、同エリアにオフィスや商業施設を含む複数の高層ビルを整備する。着工は、最速で20年秋以降。計3期にわたる工期を経て、最終的に36年に完工させたい考えだ。
 東電HDの現本社ビルは、大型ホテルや商業施設などが入居する45階建ての複合ビルにリニューアルさせる考えで、運用開始は27年を予定している。なお、新設する複合ビルに、現在の本社機能を残すか、または他所に移転(一部移転)するか―については今後決定する。現在、活況を呈する国内建設市場は「東京五輪に向けた需要に支えられてきた」(都)ため、都や区は、五輪後の景気失速を懸念しており、東電HDの本社ビルを中心とした内幸町一丁目街区の大型再開発は「こうした落ち込みを補う可能性がある」(区)として、都や区も計画に最大限協力するという。