10電力 風力の出力変動緩和対策を連系要件化
一般送配電事業者10社と学識経験者で構成する送配電網運用委員会は、日本風力発電協会(JWPA)と協議を進めた結果、風力の出力変動緩和対策などを、系統連系技術要件に盛り込む考えを示した。経産省の再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会は中間整理において、再エネ大量導入のための調整力確保は「待ったなしの課題」と指摘。まずは風力、火力、バイオマス各発電のグリッドコード整備を求めた。このうち風力については、全国大で適用可能な要件の早期ルール化・適用開始を目指す―と整理しており、これを受けて運用委は、既存技術である風車の制御機能の有効活用により、系統安定への寄与を提案しているJWPAの取り組みなどを踏まえて、新規・リプレース電源を対象とした出力変動緩和対策などについて、全国大で早期に適用可能な要件を検討。このほど開催された同省系統WGに対して、同要件内容を提案した。
風力の出力変動実績の分析結果や、発電事業者による対策の実現性・負担影響・効果を踏まえて運用委は、早期に適用可能な要件として、原則特高連系の風力を対象に要件を策定した。具体的には、風速から得られる出力を制限して運転することが可能な状況において、連系点での5分間の最大変動幅を、発電所設備容量の10%以下とするための対策と、高速時にカットアウト(停止)が予想される場合に、即座に停止させないための措置として、ストーム制御機能を具備するなどの対策を、技術要件として提示。さらに、系統事故などに伴って系統周波数が上昇し、適正値を逸脱する恐れがある場合に備えて、発電設備の出力を周波数調定率(2~5%の範囲で一般送配電事業者から指定、不感帯は0.2 Hz以下、北海道・沖縄は0.1 Hz以下)に応じて、自動的に抑制する対策についても、連系技術要件として示した。
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