電中研、三菱電機の2氏が電気規格調査会功績賞
電力中央研究所の山崎健一・電力技術研究所サージ・電磁気現象領域リーダー・副研究参事と、三菱電機の榎本健男・FAシステム事業本部名古屋製作所ドライブシステム部ドライブシステム基本開発課専任の両氏は、今年度の電気学会電気規格調査会表彰において、功績賞をそれぞれ受賞した。同表彰は、電気機械器具・材料などの標準化に関する事項を調査審議し、電気分野の準化を通して社会貢献することを目的に活動する、同調査会が実施する年次表彰。今年度14回目となる同表彰の功績賞に選出された両氏は、先月23日に東京都新宿区のグランドヒル市ヶ谷で開催された同調査会規格委員総会において、同賞の表彰を受けた。
電力設備や家電製品など、電磁界の人体への安全性評価については社会的にも関心が高く、これらを適切に評価し、正しく理解することの重要性が認識される中で、電磁界の安全性評価の指標となる、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)指針に対応した適合性評価技術の標準化を行うため、同調査会は専門委員会を設立して00年に活動を開始。電中研の山崎氏は、同専門委をはじめ「人体ばく露に関する電界、磁界及び電磁界の評価方法標準化委員会」「低周波委員会」などに所属し、低周波を中心とした電磁界評価研究の第一人者として活躍すると同時に、数多くのIEC(国際電気標準会議)規格やJISの整備など適合性評価技術の標準化活動に貢献したことが評価された。
一方で、可変速駆動システムのJIS制定において榎本氏は、JIS化委員会幹事として原案提出に向けた意見の取りまとめなどに尽力。同取り組みでは、誤解が生じる恐れのある原文に対して、日本語として理解しやすい表現でまとめたことが高い評価を受け、同調査会は産業界にとって大きな貢献があった―と指摘。IECにおける同規格のエキスパートとしても、次期改正に向けて働きかけ、日本提案の実現に大きく貢献している同氏の功績を讃えた。