規制委 今年度事業者防災訓練の評価指標見直し
原子力規制委員会は、今年度の原子力事業者防災訓練に向けて、評価指標を見直す。昨年度の訓練結果を踏まえて、情報共有のためのツールとして、共通状況図「COP」と原子力規制庁の緊急時対応センター(ERC)への「備え付け資料」の活用を評価に追加。これらのツール活用については、ERCプラント班員へのアンケート結果も踏まえて評価を行う。原子力災害発生時において政府は、数万人~数十万人に及ぶ住民避難を行わせる必要があるか否かの判断を求められる。このため、ERCプラント班は、事故の現状に留まらず、事故の進展予測、収束対応戦略、その進捗状況といった情報を迅速・正確に把握する必要がある。さらに事故収束対応においては、政府と事業者の連携の必要性が生じる可能性もあり、これらの情報についてはCOPを用いて、戦略変更するような事象の急変後や一定時間ごとに、全体を俯瞰した情報共有を行うことを求める。仮にCOPが更新されていない場合には、手元にあるCOPに手書きで記載して速やかな情報共有を行うなどにより、発電所、本店、ERCが相互に、最新の事故の状況・対応への共通認識を持ち、事故対応にあたることを目指すもの。
さらに今年度訓練において規制委は、総合訓練で事故シナリオに基づき実施する、緊急時対策所の活動と連携した現場実動訓練の実施状況を評価対象に追加する。新規制基準未適合炉については、現在の設備状態でERCプラント班と連携した総合訓練または要素訓練を実施すると共に、設備状態に関する資料などを今年9月頃を目処に、ERC備え付け資料として配備することを求めた。このうち未適合炉の訓練では、複数号機を有する発電所の場合は少なくとも1基、単数号機の場合は総合訓練または要素訓練のいずれかで1回は、現在の設備状態での訓練実施を求める。