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エネ庁 需給一体型再エネ自家消費モデル拡大へ

 経産省エネ庁は、FITから自立した「需給一体型再生可能エネルギー自家消費モデル」の普及拡大に向けて検討を加速する。さらなる省エネルギー政策の一環として、ZEHの自律的普及モデルの確立や、大口需要家におけるESCO型サービスの活用、地域マイクログリッドの構築などに対する支援を推進する考え。具体的には、FITからの自立について、住宅用太陽光の自家消費の拡大が有効―と判断。住宅単体で自家消費を拡大させるため、断熱強化やエネルギーマネジメントの高度化、電気自動車(EV)の活用、蓄電池による夜間需要の活用などを促す。また、太陽光を最大限に活用する手段として、住宅間での融通や、旅客・貨物輸送で活用されるEVバス・トラックを利用した新たな仕組みを提示。共同の充電ステーションを設けて、余剰再エネ電気を住宅間や地域で融通することで、再エネ電気の自家消費向上を図る、ZEHモデルなどを想定する。
 一方で、太陽光を中心に産業用においても、買い取り価格が小売り料金と同等以下になりつつある中で、FITを前提としない再エネ自家消費モデルを導入する大口需要家が散見されるのを踏まえた対応を検討する。設備投資に掛かる負担を軽減すると共に、再エネ電気を大量に調達する手法として、ESCO型サービス・PPA型サービスに基づき、事業所内に第三者が太陽光を設置し、電気を調達する取り組みを後押しするため、事業環境の整備を進める。
 さらに、災害時・緊急時におけるレジリエンスの強化を図るため、再エネ導入を検討する地域においては、自営線など既存設備に頼らない系統整備は、採算面が大きな課題となっている。そのためエネ庁は、既存の系統線を活用し、災害時にもエネルギーの安定化供給を可能とする地域マイクログリッドは、コスト低減が見込める上、平常時の活用にも有効―と指摘。一方で、必要な技術的要件や制度上の課題を整理する必要があることから、引き続き地域における需給一体型自家消費モデルの導入支援を行うと共に、一般送配電事業者と連携し、先例となる多様なモデルを収集・検討した上で、適切な運用方法を整理していく考えだ。