エネ庁 今冬からブラックアウトリスク定期確認
経産省エネ庁は、ブラックアウトリスクの定期的な確認プロセスについて検討を進め、電力広域的運営推進機関による技術的観点からの協力も得て、今冬の需給検証と同時期に第1回目の確認を行う見通しを示した。昨夏から秋にかけて発生した、一連の自然災害を踏まえて立ち上げた、電力レジリエンスWGが11月に行った中間取りまとめは、電力インフラの総点検の方法をベースに、より精度を高めた形でブラックアウトのリスクについて、定期的に確認するプロセスを構築することを提言。同提言を踏まえてエネ庁は、電力レジリエンス強化の観点から、同リスクの定期的な確認プロセスについて検討を進めるもの。具体的には、想定される最過酷断面において、北海道胆振東部地震によるブラックアウトと同様に、最大電源サイトが脱落し、大規模電源サイトなどに近接する4回線事故が発生した場合について、周波数低下に加えて、系統安定度の変化よるブラックアウト発生の可能性についても、確認の対象とする考え。今後、確認の方法・進め方などの詳細を検討する。
同WGは、電力インフラの総点検として、各エリアのブラックアウトのリスクについて、一般送配電事業者などから報告を受け、審議・評価を実施。その結果、東日本・中西日本・沖縄各エリアについて、年間を通じた最過酷断面において、北海道胆振東部地震によるブラックアウトと同様の事象が起きた場合でも、周波数低下によっては、必要に応じて運用対策などを実施することで「ブラックアウトには至らない」と評価した。一方で、設備構成などは随時変化することから、同リスクの低減に向けて今後、従来の需給検証プロセスに加えて、リスクを定期的に確認する。
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