経産省 電力のサイバーセキュリティ対策を分析
経産省は、電力分野におけるサイバーセキュリティの強化を目指して今年度以降、電気事業者のサイバーセキュリティ対策に関する現状分析を行う方針を示した。産業界のサイバーセキュリティに関する研究の一環として、電力分野の検討に取り組む電力サブWGはこれまで、同分野のサイバーセキュリティを取り巻く現状や諸外国の状況を分析し、官民が取り組むべき課題と方向性を議論。電力制御系システムに関するセキュリティ向上策や、来年の東京五輪・パラリンピックへの対応を視野に、短期的に対応すべき事項と、より中長期的視点で対応すべき事項、電力自由化などに伴う多種多様なプレイヤー参入による、サイバーセキュリティリスクへの対応策―などの検討を進めてきた。これらの検討を踏まえて同サブWGは、今年度以降の検討課題として、サプライチェーンリスクへの対応や、大手電気事業者・新規プレイヤーのサイバーセキュリティ対策などを提示。現状分析を踏まえて、国内の電力分野におけるリスク、関係者が継続的に行う事項などを検討する考え。
来月に大阪で開催されるG20首脳会合に先立って今年3月、B20東京サミットの共同宣言において「サイバーセキュリティの枠組み構築」が提言されたのを受けて、同省はこのほど産業サイバーセキュリティ研究会を通じて、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を確保するための「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)」を策定。デジタル革新へ向けたグローバルな動きをリードしていくため、電力サブWGなど同研究会の下に設けた分野別サブWGの議論と連携し、CPSFの産業界における実装に向けた取り組みを加速する。