エネ庁 5月実施のトラッキング実証説明会開催
経産省エネ庁は、来月に開催する非化石証書オークションにおいて実証を行う、トラッキング付き非化石証書の販売について明日2日、参加事業者を対象とした説明会を実施する。既報の通り今年2~3月にかけて初めて実施した同実証では、電源開発など計59の発電事業者と、東北、中部、中国、九州4電力など計40の小売り電気事業者が参加。発電設備名や設置者名、設備所在地、出力などの属性情報を付与した非化石証書を販売し、トラッキングスキームに対する事業者ニーズを把握すると共に、同スキームの導入により、非化石証書オークションへの参加事業者が増加したことを確認した。前回実証の成果を踏まえてエネ庁は、事業者によるトラッキング付き証書を活用したメニュー開発や、顧客開発が進むことでさらに今後、各社の購入量が増加することを想定し、実証の継続実施を決めると共に、同スキームの定着を図る考えを示したもの。2日の販売説明会では、前回実証からの変更点など、募集要項を詳説。その後同月8~12日まで、小売り・発電両事業者の参加登録を受け付け、トラッキング情報割り当ての事前調整を行った上で、5月13~17日のオークションで実証を行う。
なお今回の実証においてエネ庁は、証書を購入する意思がないにも拘らず、属性情報の事前取り置きのみ行う「空押さえ」の防止対策として、ペナルティを導入する見通し。具体的には、競合する小売り事業者が希望のトラッキング付き証書を購入できないよう妨害するため、空押さえを行った事業者の名称と空押さえた属性情報の量を公表する考え。初回実証では、取り置いた属性情報に対応する量の非化石証書を購入する意思について、オークション開催直前に個別に確認を行ったため、問題となる空押さえを行った事業者はいなかったが、今後は参加者、取引量共に増加が見込まれることからエネ庁は、個別対応は困難―と判断。まずは軽度のペナルティを導入し、今後空押さえが頻発するような場合には、違反の程度によってオークションへの参加を一時的に制限するなどの措置を設定する考え。