消費者庁 経産省へ住宅用太陽光の火災防止で意見
消費者庁は経産省に対して、住宅用太陽光から発生した火災事故などの再発防止に向けて、リスクアセスメントの実施などの対応を求めた。住宅太陽光による火災、発火、発煙、過熱といった事故に関して、事故情報バンクに登録されている127件(08年3月から17年11月まで)のうち、製品評価技術基盤機構(NITE)が原因調査中または原因不明としたものなどを除く、72件を対象に調査を実施。同調査結果や、経産省が昨年実施したヒアリング結果、消防機関、NITE、製造業者の調査資料などを踏まえて同庁は、関係法令などの見直しを含めた適切な措置の検討を求めたもの。このうち経産省のヒアリングからは、住宅用太陽光の累積設置棟数約237・5万件のうち、瓦、スレートといった屋根材の上に架台を取り付けて設置する「屋根置き型」と、屋根材または屋根全体にモジュールが設置されている「鋼板等敷設型」が合わせて約94・8%と大半を占め、裏面に鋼板などの不燃材料を付帯したモジュールを、ルーフィング上に直接設置する「鋼板等付帯型」は約0.7%、鋼板が無いモジュールを同上に設置する「鋼板等無し型」は約4.5%だったことが判明。また、消防機関などの調査資料を基に、発火原因分析や現地調査などを行った結果、ケーブルでの発火の推定原因は施工不良が多いが、モジュール発火はモジュールの不具合が要因であることが分った。
これらの調査結果を踏まえて消費者庁は、鋼板の無いモジュールを設置する住宅の火災に関し、既に設置されているシステムに対しては、リスク評価を行った上で必要があると認めた場合には、早急の対応を実施することを経産省に意見。同リスク評価は、過去の不具合情報・要因に関する設計変更履歴などを踏まえて行うと共に、その結果を公表することを求めた。新設の太陽光に対しては、モジュール・ケーブルの発火対策を、製造業者を通じて講じることを提示。システム共通の再発防止策として、地絡検知機能を有する製品を標準とし、既設の製品は適時、機器の更新を進めると共に、地絡が発生した場合の適切な対処方法を保守点検ガイドラインに追加することを求めた。さらに、今後の開発課題として、バイパス回路の耐久性向上をはじめ、同回路の常時通電または断線などの異常状態を検知して、使用者に警告する機能の付加を促進することや、難燃材料の使用、遠隔監視システムの開発を促すよう求めた。
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