エネ庁 非化石証書トラッキング実証開始へ説明会
経産省エネ庁は明日24日、非化石証書トラッキング実証に関する説明会を開催する。来月に販売される非化石証書の一部に、電源種や発電所所在地などのトラッキング情報を付与する実証実験を行うため、発電事業者や小売り事業者などに対して、トラッキングスキームなどの詳細を説明するもの。同実証では、事前に小売り・発電事業者からの参加登録を求め、取り引きされるトラッキング情報は、参加登録した発電事業者の供給する電力に紐付ける。属性情報のダブルカウント防止や、非化石証書を購入したものの希望の属性情報が付与されなかった―といった不利益を防止するため、各非化石証書オークションの実施以前に小売り・発電事業者と、属性情報を管理する実証事務局の間で調整を行い、希望の属性情報の付与を事業者に確認してもらうことを想定。同オークションでの証書購入を確認した後に、トラッキング情報を付与する仕組みとする。なお、同実証では、需要家によるトラッキング付き非化石証書の購入はできないためエネ庁は、需要家からの同証書購入への要望に対して、小売り事業者の積極的な対応を求める。
同実証に先立ち同庁は、トラッキング付き非化石証書の販売を期待する企業の声を、同庁ホームページで紹介している。昨年5月から市場での取り引きが開始された同証書を利用し、自社のCO2削減に役立てている先進企業として、大手化学メーカーの花王へのインタビューを掲載。新電力による電気の小売りが活発化する中で、小売り事業者ごとにCO2排出係数が異なることが判明したため、電力調達におけるCO2排出量削減のための手段として、グリーン電力証書やJクレジット、水力発電由来の電力メニューなどの様々な手法の中から、市場流通量の多い非化石証書を選択した同社の取り組みを紹介する。さらに、同インタビューの中で同社は、非化石証書について「どこにある発電所で作られたかといったことも分かれば、地域への貢献といった意味でも活用できるかもしれない」といった考えを提示。トラッキング付き証書は、需要家によるRE100(英国のClimate GroupとCDPが実施する、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げるイニシアチブ)の取り組みにも活用できることからエネ庁は、企業の再エネ調達における選択肢が広がることを期待する。