東電PG 荒川区と社有地の譲渡に向けて協議へ
東京電力パワーグリッド(PG)は、東京都荒川区に所有する社有地(敷地面積約9000㎡)の、区への有償譲渡に向けた官民協議を来年度より開始する。同社(当時は東京電力)は「地域貢献(地域医療拡充への協力)」を目的に995年、区、東京女子医科大学と「同大付属第二病院建替え計画に関する基本合意書」を締結して04年、同地(用地を一部拡大)に東京女子医大の「東医療センター」を新設した。その際、東京電は、同大との間で期間20年の借地貸借契約を交わしており、以来、区、同大と共に地域医療への間接的支援を行ってきた。しかし同大が14年に「上空や地下に通る高圧電線が、高度医療機器を使用する際に課題がある」として、同医療センターの都内足立区(旧都営・江北四丁目アパート跡地、敷地面積2・76万㎡)への移転を決定。そのため荒川区が「現・東医療センターの土地・建物の一部を活用した同地への他医療機関の誘致と、病院運営事業の民間への委託」を決定すると共に、東電PGに対して、社有地の有償譲渡を求めることを決めたもの。
東電PGの社有地のうち、既設の東病棟(SRC造り・地下1階地上6階建て・延床面積1・16万㎡)の用地は、前記の20年契約であり、21年度上期に東電PGと東京女子医大の借地貸借契約が切れるため、契約満了後に区が「同社の了解を得て購入する、または、東電PGと新たな借地貸借契約を結ぶ」(区)意向だ。一方、送電線の下部に関する社有地については、期間50年の長期契約となっているため、東京女子医大の移転後に、区が「新しい医療センター付設の公園用地として、東電PGから有償譲渡して頂けるように来年度から話し合いを開始する」(同)という。