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JICA 電力が協力、エジプトでスマートM普及

 JICAは、日本の電力の協力を得て、エジプトにおいて再生可能エネルギー設備とスマートメーターの両普及拡大を進める。同国は現在、14年に制定した「エネルギー白書」に基づいて電力セクターの改革を進めており、この一環として、火力に依存した電源構成の見直し(再エネの大量導入)と配電ロスの削減に注力している。これを踏まえてJICAは、安倍晋三首相が打ち出した「質の高いインフラ投資の実現」を目指して、同国においてこれまで、両分野に関する複数の円借款事業を推進しており、事業主体となるエジプト電力持株公社(EEHC)にとっては、電力セクター改革に伴う新しい電気事業制度に対応するための組織改革と、再エネやスマートメーター関連技術に対応するための職員の能力・技術アップが課題となっている。
 今回、日本の電力の協力を得て、JICAが新たに同国において開始する「電力セクター改革アドバイザー(有償勘定技術支援)」事業は、○電力に関する円借款事業を実施するEEHCの安定供給機能の強化と組織改革に関する助言、○円借款事業で導入予定の機材・設備を活用した系統安定化対策とエネルギー利用効率化策に関する技術アドバイス、○事業の円滑な履行と新規有償案件の形成支援―‌を行うもので、EEHCの職員を対象にした日本での国内研修なども含む。期間は来月下旬から20年11月までで、同事業を委託する電力は近く決定する。なお、エジプトでは現在、関西電力が、EEHCを含む同国火力分野の人材育成と、技術供与を目的とした国際研修「火力発電所運営・維持管理能力向上プログラム」を、JICAの委託を受けて、20年9月までの予定で行っており、この一環として今月17日、子会社の関電プラントのテクノセンター(兵庫県三田市)で、EEHCの職員10人を迎えた研修を行った。