北海道電 本店移転し29年度より新本店供用開始
北海道電力の本店ビルと別館の移転・新設を含む札幌市中央区の再開発について、北海道電が札幌市などと昨年7月から進めて来た官民協議の結果、大規模再開発プロジェクトとなる「創世1・1・1区(そうせい・さんく)大通東1地区再開発」の事業推進計画がまとまった。既報のように同プロジェクトは、968年に大成建設の施工で竣工した北海道電の本店ビル(7階建て・ 延床面積3万4397㎡)が、運用開始以来50年が経過していることから、本店ビルと通りを挟んで隣接する北海道電力別館や札幌中央変電所、さらに近隣の北海道中央バスの札幌ターミナルビル(敷地面積約3700㎡)、竹中工務店の社有地(同)なども含めた区内大通東1地区全体の再開発と、市が別途予定している大通公園の延伸計画とを同時並行的に着手することで、市中心部の大規模再開発を効率的に進めるもの。
プロジェクト履行に向けた素案となる推進計画では、北海道電の本店や別館、北海道中央バスのターミナルなどの既設施設を街区の北側に全て移転して集約し、本店・別館のほか、オフィスやホテル、店舗などで構成する延床面積10万~11万㎡の最新型インテリジェントビルを建設する。さらに街区の南には、大通公園から連続するオープンスペース(緑化エリア)を設け、市民の憩いの場として機能させる。総事業費は530億~590億円と試算しており、年内を目処に北海道電などの地権者と市で組織する再開発準備組合を立ち上げ、同組合が事業主体となって19年度中に基本計画を策定。20~21年度の基本・実施設計、その間に都市計画、環境影響評価手続きを経て22年度に着工する予定。そのため、北海道電の新本店ビルの運用開始を含む新ビルの開業は「新幹線の札幌延伸や冬季五輪・パラリンピック招致を見据え、29年度を目標にする」(市)という。