夏季特集号 「電力・エネルギー分野のデジタルトランスフォーメーション~電力中央研究所 研究報告会 2018での報告概要から」
Ⅰ はじめに
電力中央研究所( 以下、電中研) は、「研究報告会2 0 1 8 ~ 電力・エネルギー分野のデジタルトランスフォーメーションを先導する技術開発」を、今年5月16日、東京都千代田区大手町の日経ホールで開催した。本稿では、その報告内容の概要を中心に紹介する。
Ⅱ 電力・エネルギー分野を取り巻く環境変化と
デジタルトランスフォーメーション
① 5つのシフト
業界を取り巻く事業環境の変化を考える際に、現実となっているダイナミックな変化に着目することが有益である。電中研では、図1(3ページ)に示した「デマンド」「エネルギー」「バリュー」「ビジネス」、およびこれらの根底にあり、鍵となる「デジタル」の、あわせて5つのシフトを抽出した。例えば、エネルギーシフトについて言えば、低炭素社会構築のための電化推進である。このことは低炭素化シナリオについて電中研の行ったメタ分析研究により、世界的認識であることが明らかになっている。