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エネ総研 原子力に対する意識に大きな変化無し

 エネルギー総合工学研究所は、昨年度実施したエネルギーに関するアンケート調査の結果を公表した。同調査は、首都圏に在住する20歳以上の男女を対象に、11年3月に発生した東日本大震災による福島第一原子力事故前後の意識変化から、同事故が首都圏住民に与えた影響を把握することを目的として、インターネットにより実施している年次調査。昨年度調査は、17年10月から11月にかけて500人を対象に、○社会や生活、○エネルギー問題、○原子力、○福一事故―に関する意識について調査し、その結果を「変化」といった観点から分析した。このうち、住民の原子力に関する意識調査では、原子力に対する関心度を把握するため、「1年間で記憶に残っているニュースや出来事」を質問。その結果、12年度調査以降、減少傾向にあった「原子力問題」との回答は、国内の政治問題、治安問題、経済や景気動向、国際情勢に次ぐ5番目までに減少した。一方で、11年度調査で全体の86・4%に達した原子力への関心度は、依然減少傾向にあるものの、70・6%と多くを占めていることが判明。安心度については、「安心である」との回答が同15%となり、僅かな増加傾向を示した。一方で、「不安である」との回答は59・6%と半数以上を占めたが、11年以降の比較では、減少傾向にあることが分った。
 さらに、原子力の今日における有用性に関しては、「有用である」との回答が全体の36・0%、31・6%が「無用である」と答えたが、20年後の有用性については、24・2%が「有用」、43・0%が「無用」と回答した。原子力利用の継続に関する質問では、「徐々にやめていくべき」が最も多く、僅かな減少傾向が見られるものの、依然4割近くを占めている。これらの調査結果を踏まえてエネ総研は、事故発生後の11年調査で厳しいものとなった、原子力に対する首都圏住民の評価について、現在も大きな変化は無い―と指摘。原子力への否定的な回答が多い要因には、新エネルギーへの期待や、省エネルギーへの意識の高まりが含まれると共に、原子力停止による影響の大きさをあまり感じていない傾向にあることが関係している―と分析する。