環境省 対象範囲拡大で環境技術実証説明会開催
環境省は9月、東京(10日)、名古屋(20日)、大阪(21日)の3都市で、環境技術実証事業(ETV)説明会を開催する。来年度から、同実証制度に新たな枠組みが導入されることから、多くの関連事業者などに対して、ETVの周知を図ることを目的に同説明会を実施するもの。ETVは、既に適用可能な段階にありながら、環境保全効果などの客観的な評価が行われていない先進的な環境技術の普及を、同省が後押しする取り組み。同省は、第三者機関による実証を支援すると共に、その結果を同省のウェブサイトなどで公表することで、ユーザーに対して、信頼性の高いデータを提供。さらに、実証で得た専門家のアドバイスを基に、事業者が自社製品の開発に活かすことを期待する。
17年6月に行われた行政事業レビュー公開プロセスからの指摘を受けて同省は、ETVにおける技術分野と実証プロセスの抜本的な見直しを実施。中小水力や、地中熱・下水を利用したヒートポンプ空調システム技術、水環境改善技術といった個別の技術分野を対象とした従来の枠組みを見直し、同省が推進する技術を網羅する6つの分野を新設。具体的には、気候変動対策、水・土環境保全、大気環境保全、資源循環、自然環境保全、環境測定―の6分野に分けて、各分野の関連技術実証を後押しする。さらに、技術調査などの技術選定補助を行う技術調査機関を新たに設け、技術選定を行った後に、実証機関を選定するプロセスに変更。技術申請予定者への相談対応も技術調査機関が担務する。9月の説明会では、有用な環境技術を保有するメーカー・販売者をはじめ、環境技術の購入者、施工業者、地方自治体の環境担当者といった、環境技術に関係するユーザーなどの参加を見込み、これらの新たな枠組みをはじめ、ETVの国際動向、実証事例などを紹介するほか、技術相談会を実施。さらに、実証機関や試験機関に興味のある事業者などに対して、ETVにおける実証機関の役割・責任、運営に関する要求事項などについて解説する研修会を行う。