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産総研 日射量予測「大外し検出指標」実用化へ

 産業技術総合研究所は、日射量予測が大幅に外れる事態を検出する「大外し検出指標」の実用化に向けた取り組みを推進する。太陽光の大量導入に対応し、日射量予測技術の高度化を図るため、年に数回から十数回しか発生しないような予測が極端に大きく外れる事態について、事前に予測する同指標を、気象庁、筑波大学と共同で考案。今後は、同指標を用いた電力需給運用のシミュレーションを行って、「大外し」を事前に予測できた場合に、どの程度需給バランスが改善でき、また予測の信頼性が高い場合における、調整用電源の節約などによる経済的な運用が可能であるか―といった評価を行い、早期の実用化につなげる考え。
 電力需給運用では、その制御を困難にする日射量予測が大きく外れる事態をいかに減らすか―が喫緊の課題となっている。そのため、これまで日射量予測情報の太陽光分野への応用をはじめ、気象予測モデルや機械学習を用いた太陽光の出力推定・予測手法などの研究開発を行ってきた産総研は、日本・欧州・米国・英国の4予報機関が提供する、地球全体の日射量情報について、最大51個の「全球アンサンブル予測(地球全体を同じ時刻に少しずつ異なる条件で予測)」の標準偏差(アンサンブルスプレッド)を求め、加重平均したものを、大外し検出指標として考案。過去3年間14~16年の東京電力エリア内における、気象庁の日射量予測値を対象に、同指標の評価を行ったところ、同指標は特に、冬季において予測誤差と高い相関係数を示した。