JWPA エリア風力の一律部分制御へ移行状況
日本風力発電協会(JWPA)は、エリア全域の風力を対象として部分制御を行う、一律制御「JWPA方式」への移行について、国内事業者の対応状況を明らかにした。従来の輪番による発電停止で出力制御を実施する方法から、JWPA方式への見直しに関しては、15年に経産省の新エネルギー小委員会系統WGが、等価時間で720時間までを無補償とする、エリア一括の出力制御方式の適用を了承。これを受けてJWPAは、大半が旧ルールの30日制を採用している既設風力も含めて、全ての風力が時間制に基づく出力制御を採用・実施することを目指しているもの。
JWPAはこれまでに、国内で風力を所有・運転する全174事業者に対して、同方式への「電力受給契約見直し」へ働きかけを実施。その結果、今年5月末時点で「同契約を見直した」事業者は全体の29%、「最終確認を行っている」4%、「電力会社と協議中」12%、「見直しを進める」9%、「検討中」16%―と約7割の事業者が対応。一方で、「見直しをしない」と回答した事業者も11%存在することが分った。同方式は、○等価時間を採用するため、制御時間は720時間より多くなるが、風力の特性から高い出力が出る時間は短く、ロスは少ない、○接続枠算定値が大きい、○エリア内は一律で同じ制御を受けるため、風況の違いなどに起因する不公平感が少ない、○エリア全体で出力を予測するので精度が高く、抑制が少なくなる、○機器の故障や損傷などのリスクが低減する―などのメリットがある。一方で、風力側はスケジュールを設定しなければならず、運用が複雑であるデメリットもあるが、JWPAは、総じて同方式はメリットが大きい―と判断。見直しをしないと回答した事業者は、○現時点ではメリットが無い、○当面抑制が無く、見直しの必要を感じない、○リプレースまたは廃止を予定、○部分負荷運転ができない―などをその理由に挙げていることから、JWPAは今後、経産省の「出力制御の公平性の確保に係る指針」や、電力が公表する運用方法などを基にしたグラフなどの資料を活用して、再度事業者へ説明すると共に、契約見直しを要請する考え。さらに、検討中と回答した事業者などに対しても、見直し要請の働きかけを継続実施するほか、再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいる九州エリアなどを重点的に、同見直しの100%完了を目指して、働きかけの強化を図る。
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