中部電 尾鷲三田火力の地域活性事業で官民協議
中部電力は来月以降を目処に、三重県南西部の5自治体と、今年度での廃止を決めた尾鷲三田火力(原油・重油、計87・5万㎾)で計画する「エネルギーの地産地消を中心とした地域活性化モデル」事業の実現を目指した官民協議を開始する。同事業は「東紀州」と呼称される尾鷲・熊野2市、紀北・御浜・紀宝3町から排出される可燃ごみと、し尿を処理した脱水汚泥などを燃料に用いる「発電プラント併設型広域ごみ処理施設」を、同火力の敷地内に設けると共に、廃熱なども利用して、エネルギーの地産地消と地域の活性化を推進する―という地域共生を目指した取り組み。既報のように5自治体は12年度より、1.6万㎡の用地が必要となる広域ごみ処理施設の建設地を探してきたが「海が迫って平地の少ない地域特性により必要な面積を満たす候補地が見つからずに難航していた」(尾鷲市)ため、同施設を、東紀州の中心に位置する尾鷲市に立地する尾鷲三田火力内に設けることで「ごみ搬入の際の利便性と効率化が図れる」と判断。中部電の提案に応え、同火力の敷地を利用した、エネルギーの地産地消による地域活性化事業の実現に向けた官民協議を、開始することを決めたもの。
中部電との協議に向けて5自治体は、代表を務める尾鷲市が、月内を目処に文書で中部電に対して申し入れを行い、中部電の了解を得次第、協議を開始して、建設予定地の面積や事業のスキーム、さらに南海トラフ地震への対応などについて官民で話し合う。なお、施設の完成・運用開始は23年度、建設事業費は66・77億円をそれぞれ予定している。