九州電 調査報告に基づきケニアで地熱リプレース
九州電力が昨年、東アフリカのケニア共和国で、西日本技術開発と共同で行った「オルカリア地熱の運営維持管理に係る情報収集・確認調査」( 17 年3月10日号参照)の集約結果に基づき、JICAはこのほど、ケニア政府が計画する「オルカリアi地熱発電所1、2、3号機改修事業」に、100・77億円を限度とする円借款(一般アンタイド)供与契約を締結した。同事業は、近年頻発する干ばつの影響で、同国の主用電源である水力(電源構成で46 %、次いで火力37%、地熱14%)の稼働が限定的となっているため、アフリカ最古の地熱として発電設備の経年劣化が社会問題化している、中部ナクル郡に立地する985年運開のオルカリアi地熱の1~3号機(各1.5万㎾)を、計5.1万㎾(1.7万㎾×3基)にリプレースする―という国家プロジェクト。 九州電と西日本技術開発が昨年、オルカリアiを含む同ⅱ~ⅳなど、既設4地熱の管理者であるケニア電力公社の協力を得て行った、各地熱の経営・財務状況と管理・補修面での課題に関する調査報告書を受けて、JICAは「ⅰ~ⅲは老朽化によって稼働率が低下し、維持管理費が増加している」と判断。いずれも980年代に運開した3地熱のうち、第1弾としてオルカリアⅰを、電力など日本企業の技術供与を得てリプレースすることで「供給能力を維持・増強し、電源安定化を後押しする」(JICA)方針を決めたもの。なおⅰ地熱の1~3号機のリプレースに関する最初の本体工事となる調達パッケージは「来月中に公示予定」(同)という。工事の完了時期は21年12月を見込んでいる。
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