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経産省 F I T 前風力の保安課題が調査で明らかに

経産省の委託事業として、デトロイトトーマツが行った風力業界に関する調査結果から、FIT以前に設置された風車を中心に、中小発電事業者が適切なメンテナンスを実施できないケースが存在することが明らかになった。同調査は、保安規制の合理化に向けて、国内外計25の発電事業者・風車メーカー・メンテナンス事業者・団体にヒアリングを実施。このうち国内発電事業者では、電源開発、ユーラスエナジーホールディングス、日本風力開発、エコ・パワーの協力を得て、風力業界の構造の観点から、メンテナンス体制に関する課題を分析し、改善策を検討したもの。

 同調査では、国内風力の約7割を海外製が占めており、ベアリング、ギアボックス、ブレード、発電機といった発電に大きな影響を与えるキーコンポーネントは主に、欧州・中国で製造されているため、部品調達に1~3か月の期間が必要であることが分った。システムが停止するダウンタイムが長期化する要因では、部品によるものが約半数に上り、故障・事故発生後の速やかな部品調達・交換が困難と

なっている。こうした課題に対して大手発電事業者は、保有基数が多いことから自社で部品をストックしており、自社でO&Mを実施することで高い稼働率を維持。一方で、保有基数が少ない中小発電事業者は、部品をストックする合理性が低く、FIT以前に設置された風車の多くは、メンテナンス要員を定常的に配置しておらず、故障・事故発生の度に、風車メーカーへ対応を要請しているのが実情。