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国交省 住宅省エネで太陽光設置基準を創設

 国交省は来年度から、建売戸建て・注文戸建て住宅を対象に、太陽光設置に関するトップランナー基準を適用する方針を固めた。「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」の一部を改正し、現行トップランナー基準の見直しと共に、新たに太陽光設備の設置に関する基準を創設するため、このほど同省令案に関するパブリックコメントを開始した。住宅・建築物のさらなる省エネ促進に向けて、一定個数の住宅供給を行う大手ハウスメーカーなどに対して、国が省エネ性能の向上目標として、住宅トップランナー基準を定めている。30年までに新築戸建ての6割に設置―を目標とする、住宅への太陽光導入については現在、設置率が31・4%で、住宅トップランナー事業者の設置状況は、建売戸建て8%、注文戸建て58・4%となっている。
 一方で、このほど経産省エネ庁が示した「第7次エネルギー基本計画(原案)」では、住宅用太陽光について、50年には設置が一般的となることを目指した、30年6割設置目標の確実な達成に向けて、建売戸建てと注文戸建て住宅に関する住宅トップランナー基準に言及。一定割合の太陽光設置を求め、住宅への太陽光導入を促進する考えを明記した。同原案も踏まえて国交省は、省令を改正し、太陽光設置に関する住宅トップランナー基準を創設するもの。
 基準の設定にあたっては、太陽光の設置が「合理的でない住宅」があることを勘案し、地域性や敷地の条件を考慮して、設置が合理的な住宅を対象に基準を設ける。27年度を目標年度に、対象住宅の建売戸建て37・5%、注文戸建て87・5%をトップランナー基準とする。同基準の対象外となる住宅は、〇垂直降雪量が100㎝以上に該当する多雪地域、〇都市部狭小地の敷地面積が85㎡未満―の土地に所在する住宅や、周辺環境などにより太陽光設置が困難な住宅とする。なお同省は、これまでの議論において、代表的な住宅モデル(床面積120・08㎡など)への太陽光の導入効果を試算しており、年間エネルギー消費量の18・7%を賄えることに加えて、売電によりさらに、名目上31・0%の同消費量を賄うことが可能―と指摘。住宅所有者は、太陽光導入による受益を一定程度得られる―としている。