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東電G 国交省の省CO2建築物先導事業に採択

 東京電力グループが計画する、2つの建設プロジェクトが、建築物の省エネ・省CO2に貢献する、先進性と普及・波及性を兼ね備えたプロジェクト―として、国交省の「サステナブル建築物等先導事業」にそれぞれ採択された。同省は、省エネ・省CO2につながる先導的な技術を導入した、住宅・建築物のリーディングプロジェクトを支援しており、公募などの結果、このほど9件の省CO2先導プロジェクトを決定。このうち東電ホールディングス(HD)が新潟県柏崎市に新設する、地域共生施設を兼ね備えた原子力・立地本部事務所ビルと、東電エナジーパートナー(EP)が三井不動産と共同で取り組む、東京都中央区日本橋での電熱供給プロジェクトに関して、各事業を担務する東電不動産、三井不動産TEPCOエナジーによる提案が採択された。
 東電不動産は、JR柏崎駅前で実施する地域共生型オフィスの新築プロジェクトにおいて、徹底的な省CO2化を図るため、建物形状、高断熱、日射遮蔽、外気負荷の低減に取り組む。自然エネルギーの利用、高効率設備の導入をはじめ、災害時拠点となる「非常時対応センター」の機能として、太陽光施設、蓄電池、自家発電機などを設置し、事業継続の強化を図る、地域共生オフィスを目指す。地上5階建て、延床面積約6300㎡、26年度の竣工を予定する。
 同事業に対して国交省の評価委員会は、地方都市における事務所ビルとして、採光に配慮した建築計画や、高効率な環境配慮技術の採用により、高いランクの環境配慮建築物を目指す取り組みを評価。波及・普及の可能性を示すと共に、省CO2技術の導入に伴う、脱炭素やウェルネス効果などの事後検証を行い、情報発信することへ期待を寄せた。
 東電EPが三井不動産と23年4月に設立した、三井不動産TEPCOエナジーは、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」において、自立分散型のエネルギーセンターを導入し、周辺地域に電気と熱を供給する、スマートエネルギープロジェクトが採択された。東京都心の再開発エリアと近接する、既存大規模ビルを対象とした面的なエネルギー供給プロジェクトで、AIを活用したエネルギー管理システムにより、再生可能エネルギーの有効利用、最適運転、地域エネルギーの一元管理を行うことで、地域防災力の確保、街区としての省CO2化の実現を目指す。電力の合理的な利用によるCO2排出の削減や、水素混焼対応が可能なガスコジェネシステムの採用、エネルギー供給の多重化による強靭なシステムの実現は先導的―として高く評価された。同事業は今年4月に着工、26年3月に竣工予定。