エネ庁 LNG調達・使用方法の評価指標検討
経産省エネ庁は、長期的なLNGの確保に向けて、調達・使用方法に関する評価指標を策定する。発電用燃料の安定供給を図るため、21年のLNG需給逼迫以降、燃料ガイドラインの策定や、燃料在庫の定期的なモニタリング、全国・地域での連携スキームの構築、戦略的余剰LNGの導入などを進めた。その結果、事業者の自主的な取り組みにより、必要な燃料を確保する仕組みが構築されつつあることを確認。一方で、化石燃料を巡る国際情勢などを踏まえて、エネルギー安全保障の観点から、国として必要なLNG量に対して、どれだけ安定的に調達し、使用できるかを評価する指標を検討する。新指標の導入により、LNGの安定調達度合いを測ると共に、政策支援につなげる。長期・スポット契約などの調達方法や使用方法について、安定度合いを評価する係数を設定した上で、各パターンで取り扱ったLNGに対する安定確保度合いを評価することを想定する。
なお、このほど開催した資源開発・燃料供給小委員会において同庁は、LNG政策について、LNG需要の観点から、有事対応、協調、競争―の3つの領域への対応を、戦略的に構築する考えを示した。現状のカーボンニュートラル政策の動向などを勘案し、需要の予見可能性が高く、事業者が主体的に確保することが可能な需要部分は、競争領域として民間事業者主導による確保を行う。一方で、将来のエネルギー需要や燃料転換・他電源の動向などにより、LNG需要が大きく変動する可能性がある、不確実性の高い領域では、LNG確保に伴うリスクへの対応が求められ、事業者間や官民での協調が必要―と指摘。従来のリスクマネーを通じた、調達の確保支援に加えて、サプライチェーン構築・維持の支援、安定的な価格指標での、長期契約による調達確保に対する支援などの必要性を示している。
また、発生頻度は低いが、調達に与える影響は大きく、事業者のみでは対応が困難な有事対応領域については、事業者とも連携し、政府の主導により確保。一方で、対策には多額の費用が見込まれることや、過度な対策は事業者のモラルハザードを引き起こす可能性があるため、真に必要な範囲での対策を講ずるべき―との考えも示している。