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九州送配電 長崎市で災害記憶の継承に協力

 災害記憶の保存と教訓の継承を目的に、九州電力送配電の長崎配電事業所が中心となって展開している長崎市での環境保全の取り組みが、教育関係者から高く評価されている。902年開校の市立伊良林小学校は、982年7月に発生して、死者・行方不明者299人、全・半壊1538棟、床上浸水1万7909棟の甚大な被害をもたらした長崎大水害で、在校児童10人が犠牲になったことから、被害者の慰霊と大水害の記憶を継承するために翌983年より、児童が中心になって運営する「ホタル委員会」が、約40年間にわたって校内でホタルの飼育を続けている。21年からは、同年に完成した新校舎の中庭に「ホタル池」と呼称するビオトープを整備。これを聞いた九州送配電の長崎配電事業所は、所内の多数の職員が36℃超の酷暑となった先月21日、同池に生い茂った雑草や枯草の除去を実施すると共に、今月6日にも、同池に繁茂する藻類を取る大規模清掃を行った。
 こうした支援を受けて同校は、同池に住むヤゴやカワニナなどの「水生生物の選り分け」を児童に体験させる環境教育を実施。さらに来月5日には、九州送配電による3回目の清掃の後、今年6月から校内で育ててきたホタルの幼虫をホタル池に放流して、来春には「同池でホタルが飛び交う夢のような光景を実現させたい」(片岡勝志校長)と期待しており、九州送配電の支援と協力に感謝している。