土木学会 全国大会で電力が研究成果を発表
土木学会は来月2~6日、今年度の「全国大会」を仙台市の複数の会場で開催する。大会テーマは「自然とくらしの奥深き風景をつくる土木へ」。会期中の5日間、産学官から報告者を迎えた多数のテーマ別セッションや討論会を聴講し、最新の土木技術に関する理解と研鑽を深めるための年次研修。このうちセッションでは、東北大学の川内北キャンパスで5日に開催される第V部門の「サステナビリティ/環境配慮型コンクリート」で、北陸電力が、富山県立大学大学院、富山交易と共同で行った「封かん条件で養生したフライアッシュ含有人工砕石の圧縮強度と炭酸化深さに関する検討」について報告するほか、第VI部門「施工技術」で、ユーラスエナジーホールディングスと大林組の共同研究「陸上風力発電所における風車撤去工事の事例報告」が発表される。
翌6日には、第Ⅰ部門の「耐風・風工学」で、電力中央研究所が京都大学、東日本電信電話と共同で行った「近接2円柱のギャロッピング不安定性における準定常理論の適用性に関する研究」を発表。さらに電中研が座長を務める第Ⅲ部門「斜面」でも、電中研と電力計算センターとの共同研究「土壌雨量指数の50年再現確率値に対する土壌雨量指数安全率」の研究報告が発表される。
第Ⅶ部門「土壌・水環境」では、中国電力が広島大学との産学共同で取り組む「石炭灰造粒物を敷設した干潟でのブルーカーボン効果によるCO2吸収量評価」の研究発表が行われる。さらに4日に、仙台国際センターとオンラインでのハイブリッド開催となる研究討論会「除染廃棄物の保管・減容・再生利用と中間貯蔵等への取組状況と今後の課題(仮題)」では、オールジャパンで進める福島第一原子力の廃止措置の取り組みと共に、除去土壌などの除染廃棄物対策についても理解を深める。また、5日には「インフラツーリズムを実際に体験してもらう」(土木学会)ため、東北電力の大倉水力 (5200㎾)が取水する、宮城県管理の大倉ダム(名取川水系大倉川)の見学会も行う。大倉ダムは、日本で唯一のダブルアーチダムとして知られており、昨年度に土木学会の「選奨土木遺産」に認定されている。