経産省 7月業務開始へGX推進機構支援基準
経産省は、7月からの業務開始に向けて、来月にも「GX推進機構」の支援基準を公表する。今後10年間で150兆円超のGX投資を実現するため、GX推進法に基づいて、株式会社形態ではない認可法人として、同機構を設立するもので、産金学官が連携して準備を進めているところ。経団連、全銀協、学識有識者が発起人となり、設立認可申請書が提出され、先月19日に経産大臣による設立認可を行うと共に、同機構の理事長として経団連副会長の筒井義信・日本生命保険会長を内定した。7月から40人規模で、債務保証などの金融支援業務を開始する。その後業務範囲を拡大して、26年にカーボンプライシング(CP)関連業務を追加。28年からは化石燃料賦課金の徴収、33年には有償オークションの実施、特定事業者負担金徴収などを担う見通し。GXの推進に向けた企業連携の取り組みや調査・研究なども行い、最終的には100人規模で運営する。
同省は、同機構が金融支援業務を実施するための「支援基準」を定める。具体的には、①政府方針との整合性、②GXにつながる技術の社会実装または事業の推進、③民間で取り切れないリスクの補完、④支援対象となる事業活動の持続可能性、GX政策への貢献、民間金融への呼び水効果などを総合的に判断した金融支援の必要性―のいずれも満たす案件を支援することを定める考え。これらの支援業務は、新たなGX技術の社会実装にあたって、技術・完工・需要リスクなどにより不確実性が強い場合に、民間金融機関などが真に取り切れないリスクを特定し、その部分についてリスク補完することが基本となる。加えて、CPを通じたGX債を財源として、同機構はリスク補完を行わないことで、国全体のGX推進に停滞を招かないよう、長期的な観点で取るべきリスクを取ることが重要―としている。