四国電 香川県が水素拠点構想で経産省に要望
四国電力が、香川県や坂出市などと協力して、坂出火力(LNG、石油、天然ガス、コークス炉ガス、計138・5万㎾)が立地する「番の州臨海工業団地」エリアで計画する水素供給拠点構想の実現に向けて、県は来年度に「水素等供給拠点形成実現可能性調査事業」を行うことを決めた。既報のように県は「地球温暖化対策を香川県の経済成長の機会ととらえ、番の州地区の関係企業や坂出市、地元経済団体などと連携して水素など次世代エネルギーの利活用を推進する」(池田豊人・知事)ために、四国電や川崎重工業、コスモ石油、三菱ケミカルなど6社と共に、計画推進組織となる「坂出市番の州コンビナート水素等利活用推進協議会」を、先月2日に創設。地域の特性に合った独自スキームの構築により、カーボンニュートラルの実現と地域経済発展の両立を目指す取り組みを、官民共同で進めている。
この一環として、県が新たに開始する調査は、経産省が来月より公募予定の「24年度『水素等供給基盤整備事業』の採択を目指したFSとなるもの」(同)で、県はこのほど、24年度予算案に調査費用として5000万円を計上。コンサルなどに委託して、水素拠点形成の実現可能性を判断するための水素需給調査などを行う。さらに県は先月28日、池田知事自らが経産省を訪問して齋藤健・経産相と面談。前記公募事業の採択と共に、県が来年度に行うFS調査、さらに調査結果を集約後に官民共同で進めるインフラ整備や関連する取り組みに対する財政支援も訴えた。これに対して齋藤経産相は「同公募に積極的に応募してほしい」と回答し、県の要望に「理解を示した」(県商工労働部)という。