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東北電 来年度より日本郵船と風力人材育成

 東北電力は来年度より、洋上風力の事業担務者や作業員を育成するための人材育成事業を、日本郵船、海洋調査・特殊船舶運航事業の日本海洋事業と協力して開始する。政府方針に基づき注力する洋上風力分野の底上げを図るための取り組みで、秋田火力(重油、原油、60万㎾)の構内に、子会社の東北電力リニューアブルエナジー・サービス(RENES)が22年に設けた研修施設「風力トレーニングセンター秋田塾(風力のメンテナンス技術を指導する専門訓練所)」において、国際風力機関(GWO)が定めた国際基準に基づく訓練を、4月を目処に開始する。訓練内容は、①応急処置訓練(作業員がケガをした際の応急処置や心肺蘇生法、AEDの使用法など)、②マニュアルハンドリング訓練(重量物の安全・効率的な運搬など)、③ 高所作業訓練(垂直はしごでの救出や緊急降下訓練など)、④火災予知、防火と消火の訓練(初期消火訓練や脱出訓練など)―で構成し、日本郵船と日本海洋事業が、経産省エネ庁の助成を受けて4月から開始する「洋上風力発電人材育成事業・風と海の学校あきた」の研修カリキュラムの一環となる。  
 研修場所となる秋田塾は、一昨年12月に、国内では4例目となる公的BST(基礎安全訓練)提供機関としての認証をGWOから取得しており、風力の整備や点検の際に安全に高所作業を行うための訓練設備が充実している。日本郵船と日本海洋事業による「風と海の学校あきた」プロジェクトは、秋田県立男鹿海洋高校の校内に同名の研修センターを設け、県と協力して「洋上風力事業の安定・安全な運営に貢献できる人材を年間1000人程度輩出する」(県産業労働部クリーンエネルギー産業振興課)ことを目指す。そのため県も、同プロジェクトへの東北電の協力に期待しており、将来的には県内外の小・中学生などにも施設を開放して、風力人材の継続的な育成につなげたい考えだ。なお、秋田塾で行う訓練内容は、前記の①~④に加えて現在、⑤洋上での緊急避難訓練―も行う予定で検討を進めている。