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エネ庁 FITバランシングコスト見直し検討

 経産省エネ庁は、FIP制度のさらなる活用を促進する観点から、バランシングコストを見直す方向で検討する。再生可能エネルギーのうち、太陽光・風力などの自然変動電源が、同制度の下で新たに求められる、発電計画の作成、インバランスの精算、プロファイリングリスクといった技術に関しては、ノウハウの蓄積が必要―と判断。太陽光などのFIP認定事業者には、制度を開始した22年度にkWhあたり1.0円のバランシングコストを交付した。同コストについて現行制度では、22年度から24年度までは同0・05円ずつ、4年目の25年度以降は0.1円ずつ低減する―としており、今年度0・95円、来年度は0・90円を交付する予定。
 一方で、制度開始から1年半が経過した、今年10月1日時点のFIP認定量は、新規・移行認定を合わせて275件、約986MWに留まり、同庁が実施した認定事業者への調査では、発電量予測や予測誤差の対応に要する費用が、交付されるバランシングコストの額よりも高い―とした事業者が、回答者の半数以上を占めた。そうした現状を踏まえて同庁は、FIP制度として運転を開始した事業に交付するバランシングコストについて、運開初年度をkWhあたり1.0円とした上で、2年目、3年目については段階的に低減させ、4年目以降は、現行制度で定めた額とする考えを提示した。段階的な低減については、1年目から4年目までにかけての、各年の低減額が均一となる額を設定する。
 同庁は、そうした段階的な低減により、運開当初に必要となるバランシングコストを交付する措置について、FIP制度として24~26年度までの3年間に運開した太陽光と、24~27年度までの4年間に運開した風力に対して適用することも提案。制度の見直しにより、FIPの早期活用と、最エネの迅速な運開促進を図る考え。詳細検討に関しては、FIP認定事業者が得るべき収益水準に関連するため、今後は調達価格算定委員会において検討する見通し。