中部電、シードおきなわ エクアドルで再エネ支援
中部電力と、沖縄電力グループのシードおきなわ合同会社は、南米エクアドル共和国のガラパゴス諸島で、化石燃料ゼロに向けたエネルギーロードマップの策定を支援する。貴重な生態系を有していることから、世界最初の世界遺産(自然遺産)に認定されたガラパゴス諸島は、エクアドル本土から太平洋を隔てて1000km西方の赤道直下に点在する19の島からなる島嶼自治体。エクアドル政府は同諸島を「当国にとって最重要の観光資源」(エネルギー鉱山省)と位置付けており、以前は内燃力が中心だった電源構成を改めるため、07年に導入した環境政策「化石燃料ゼロイニシアチブ」によって、太陽光と風力を積極的に導入している。さらにエクアドル政府は今年5月、ガラパゴス諸島における「エネルギー転換計画」を策定して「化石燃料のさらなる利用抑制に向けた取り組みを加速させる」(同)方針を決めると共に、同諸島における化石燃料ゼロに向けた支援を日本政府に要請。これを受けて政府は、同支援をJICAの新たな国際貢献プロジェクトとして行うことを決め、JICAとエクアドル政府が支援に関する討議議事録に署名すると共に、中部電とシードおきなわ合同会社、日本工営に委託して「化石燃料ゼロに向けたロードマップ支援プロジェクト」を開始することになったもの。
3社は、同国エネルギー鉱山省やガラパゴス電力公社と協力して現地調査を行った上で、同諸島における、〇地熱発電のポテンシャル確認、〇ハイブリッド発電システムに関する計画の立案・運用とメンテナンスの最適化、〇省エネ実現に向けたエネルギー需要計画の策定―などを、1月29日~27年1月28日(報告書提出期限)まで行って、エクアドル政府が実現を目指す同諸島における化石燃料ゼロ化政策の履行に協力する。詳細は11月20日号を参照。なお、シードおきなわ合同会社は、沖縄電が「当社グループの強みを活かした海外事業展開の推進」を目的に、21年に創設した専門子会社。沖縄電のほか、グループ5社(沖電工、沖縄エネテック、プログレッシブエナジー、沖電企業、沖縄新エネ開発)が出資する。社長は横田哲・沖縄電副社長。
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