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NUMO 広報通信で最新トピック情報紹介

 原子力発電環境整備機構(NUMO)は、地層処分事業への理解醸成に向けて、今年6月に創刊した広報誌「シン・ちか通信」のVol 4を発行した。同誌は、地層処分に関する主要なトピックスのほか、各部署での取り組みや技術開発に関して、情報発信の充実を図ることを目的として発行。今号では、長崎県対馬市における、地層処分の検討に対するコメントをはじめ、経産省が先月開始した、特定放射性廃棄物小委員会の概要や、NUMO夏季インターンシップの模様、技術アドバイザリー委員会をはじめとする国際関係機関との取り組みなど、8つの最新情報を紹介する。

 対馬市における検討では、今年6月に文献調査の受け入れなどに関する請願が市議会に出されて以降、特別委員会を通じて議論が行われ、8月に開催された同委員会には、NUMOの田川和幸・専務理事が参考人として出席し、地層処分事業について説明した。その後9月12日に開かれた同市議会定例会本会議では、正式に調査受け入れの促進を求める請願が採択されたが、同27日の市議会最終日には、同市の・比田勝尚喜・市長が、市民の合意形成が不十分であるなど計5つの理由から調査を受け入れないことを表明した。同誌ではそうした経緯を説明すると共に、同市に対して感謝の意を表すコメントを掲載。文献調査の実施地域拡大を目指して、取り組みを推進する考えを改めて示した。

 NUMOは同誌の創刊にあたり、地層処分に関する主要な取り組みを紹介する「地層処分レポート」など、従来の情報発信に加えて、各部署での活動を「職員の顔が見える形」で伝え、技術開発に関する情報などを、より分かりやすく発信する方針を示した。今号では、技術部の吉村公孝・副部長が、物理探査学会で「功労会員」として表彰されたことを報告すると共に、創立75年の伝統を有する同学会について説明。長年にわたり物理探査に携わる、吉村副部長の学会活動への貢献が評価されたことを紹介しており、吉村副部長は、地下調査技術の中でも、非破壊で地下の状態を探査できる特徴を持つ地下探査の技術は、地層処分でも有力な調査技術として期待されていることを説明している。なお、「持続可能な社会と物理探査」をテーマに、先月11日から13日まで3日間にわたって、東京都新宿区の早稲田大学国際会議場で開催された同学会の創立75周年記念行事「シンポジウムおよび第149回(23年度秋季)学術講演会」では、吉村副部長などの功績を称える表彰式が行われた。