一送電 データ集約システムの機能強化を推進
一般送配電事業者10社は、25年度からの導入を目指して、電気使用量をリアルタイムで提供する、電力データ集約システムの開発を進める。電気事業法第34条に基づく、災害時における電力データの活用について、利便性向上などを目的に同システムの開発を実施。今年9月には、一送電のシステムと連携し、スマートメーターから得られる日次・月次の電力データを提供する機能を備えた、電力データ集約システムを導入し、本格的な電力データ提供を開始した。
同システムの運用開始により、災害時などにおける自治体のデータ活用や、データ利用事業者に対する電力データの効率的な提供が可能となり、データ活用のさらなる利便性向上に向けて10社は、同システムの機能を強化するもの。データ利用事業者に対する電力データの提供に関しては、需要家のプライバシー保護を確保するため、一送電とデータ利用者が22年5月に設立した一般社団法人「電力データ管理協会」が、経産大臣の認定を受けて行っている。
同協会には今年度、中部電力や中部電力ミライズコネクトを含む18社・団体が利用会員として参画。中部電は、電力データを分析し、フレイルリスクの高い方を検知する自治体向けサービス、中部電ミライズは、高齢者の住宅難民化の解消や、賃貸物件の空室率の低減に向けた、入居者見守りサービスにおいて、それぞれ電力データを活用する考え。その他の利用会員も、各社のサービスを順次発表すると共に、電力データ集約システムの機能強化を期待する。
10社は現在、前日までの電気使用量などのデータを、関係行政機関の求めに応じて、個別データや統計データとして提供する機能をシステムに実装。今後は、同機能を強化してデータのリアルタイム提供を行うと共に、災害によりデータセンターが損壊した場合にも、別置のバックアップ環境によりデータ提供が継続できるシステムを検討する。