IAEA 海洋試料分析事業に中国など参加
国際原子力機関(IAEA)は、来週から開始する福島第一原子力周辺の海洋試料を対象とした、今年の「分析機関間比較事業」について、IAEA海洋環境研究所の専門家に加えて、IAEAが指名したカナダ、中国、韓国の分析機関の専門家も来日し、実施状況の確認を行うことを公表した。同事業は、日本政府の要請に基づいて14年から実施。日本の海域モニタリングデータの信頼性・透明性の確保に向けて、政府を支援するために行うもので、IAEAは福一周辺の海洋試料を共同で採取、分割した上で、日本の各分析機関と個別に分析し、その結果を比較評価する。
今年は、今月16日から23日にかけて、海水・海底土や水生生物、水産物などの試料採取・前処理を実施。同事業のさらなる透明性向上の観点から、中国など3国の分析機関も交えて、これらの作業を確認する。同ミッションは、21年4月に廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議が決定した、ALPS処理水の処分に関する基本方針の発表後に、日本政府が要請した、福一に保管されている同処理水の取り扱いに関する安全性レビューの一環として、IAEAが現在実施している裏付けに対しても支援するものとなる。