主な記事 詳細

過去の主な記事

東電PG、東電設計 ラオスで来月より調査開始

 東京電力パワーグリッド(PG)と東電設計は来月より、ラオスで送配電系統の運用改善に向けた技術支援を開始する。既報のように同国の送電系統は、①ラオス電力公社が管理する国内供給系統(230kV)、②IPPから直接隣国(タイ、ベトナム、カンボジア)の系統に連系する輸出専用電源線(500/230kV)、③国内系統とタイの系統を同期連系してタイ発電公社が系統制御を行う国際連系線(115kV)―で構成されている。しかし、連系送電線の整備状況や国内供給系統の運用能力に起因する問題から、主力電源である水力の発電量が期待できる雨季において「十分に活用できない状況となっている」(電力公社)ため、雨季の余剰電力を効率よく活用するため、隣国と比較して不安定となっている国内の供給系統を「適切に計画・運用できるようにすることが急務」(同)となっている。
 そのため、同国政府の支援要請を受けたJICAが、同分野で高い知見を誇る日本の電力の協力を得て、系統運用業務・給電システムの課題を分析し、中央給電指令所に求められる運用業務の在り方を整理した上で、新たな給電システムの構築と系統運用改善のロードマップの策定により、同所の能力向上を図る新規国際貢献事業を開始するもの。プロジェクトの第一弾となる「ラオス国送配電系統運用改善に係る情報収集・確認調査」は、日本政府による無償資金協力を視野に、国内系統の運用改善につながる支援事業の案件形成に向けて、現地調査によって最適なスキームを構築するために必要となる諸情報を収集する。調査期間は、データ集約も含めて、11月1日~24年2月16日までを予定している。なお、ラオスでは、両社に東京電力ホールディングスを加えた3社で、同国政府が目指す「電力系統マスタープラン策定プロジェクト」の履行に協力する「電力政策アドバイザー業務」(21~22年)、「グリッドコード整備及び運用体制強化による電力品質向上プロジェクト」(21~23年)などを、JICAの委託を受けて行っている。