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エネ庁 電力サイバーSリスク点検ツール試行

 経産省エネ庁は今秋にも、電力分野におけるサイバーセキュリティ(CS)対策に関する「リスク点検ツール」の試行利用を実施する。同分野では、デジタル化や新規プレーヤーの参入が、今後さらに進むことが見込まれており、CSの脅威が日々進化・巧妙化する中で、CS対策の継続的改善・高度化は必須となっている。同庁は、産業CS研究会の下に電力サブWGを設けて、電力システムに求められるCS対策を検討しており、三菱総合研究所への委託事業の一環として作成した同ツールについて、昨年度の同WGで議論。試行利用で得られた結果を踏まえて、ツールの精査・修正を行うことで、実効性のある取り組みとする―といった意見を基に今後、10社程度に対してツールの試行利用を行い、今年度中または来年度を目処に正式公開する。
 電力分野のCSに対しては、規制・ガイドラインを通じて、一定の対策を求めているものの、定期的な対策状況の評価や、継続的な対策改善を実施している事業者は限られているのが実情。同庁が実施した調査では、定期的なリスク点検の実施における課題として、コスト面、人員面、知識・技術面での課題を抱えている事業者が多く存在することが分かった。一方で、一般送配電事業者は、電気事業連合会によるリスクアセスメントを推進しているほか、大手事業者の多くは、リスク点検を既に定期的に行っている。そうした現状を踏まえて同庁は、発電事業者、小売り電気事業者、アグリゲーター、自家用電気工作物設備設置者―の4区分を主な対象としたリスク点検ツールを作成した。特に中小事業者などのこれまでリスク点検を実施してこなかった事業者が、簡易的・効率的に活用できる内容とした。