再エネ推進協 事業者共同でパネルリユース
再生可能エネルギー長期安定電源推進協会は、太陽光パネルのリユース活用を促進するため、発電事業者、リユース事業者、倉庫事業者の共同による施策を検討する。このほど経産省エネ庁が開催した、再エネ発電設備の廃棄・リサイクルの在り方に関する検討会のヒアリングに出席し、太陽光パネルのリユース・リサイクルに関する事業者の実情を説明すると共に、リユース・リサイクルの推進に向けた施策などを紹介した。このうちリユースパネルの活用に関しては、発電事業者にとっても事業運営に寄与する可能性があることを指摘。大半の発電事業者は、パネル廃棄時にリユース売却を検討していない実情を示し、リユースの余地がある―とした上で、国内におけるパネルのリユース市場の育成施策を検討していることを明らかにした。
同施策は、発電事業者が指定リユース事業者へ使用型式を共有し、中古品需要を明らかにすることで、破損発生時は、リユース事業者から交換用パネルを購入する仕組みを想定する。リユース事業者は、共有された情報によりリユースパネルを調達して、指定倉庫に保管する。リユース品の所有については、購入までリユース事業者の所有とし、リユース品の保管・運送を担う倉庫事業者の保管費用は、発電事業者で共同負担する方法や、発電事業者が共同でリユース品を購入・所有する方法―などの検討を進めている。
一方で同協会は、パネル破損時の交換用途の他に、新設時におけるリユースパネルの活用も期待。FIT・FIP制度や補助制度の運用を見直すことで、さらなる活用が見込める―との考えを示した。FIT・FIP制度では、リユース品の利用は認められていない―と同協会は認識しており、リユース品は利用可能年数が相対的に短いことや、国民負担の増加につながるものでは無いことから、同制度でリユース品の利用を容認することを求めた。補助事業制度においては、リユース排出事業者と補助申請者が同じ事業者である場合など、助成額が事業者利益につながる懸念があるため、リユース品を活用することは認められておらず、協会は、リユース品の購入額は補助対象外とした上で、新品部材費や工事費を補助対象とすることを提案した。
発電事業者を中心に機器製造・メンテナンス事業者、O&M(運用・保守)事業者などで構成する同協会は、現在、関西電力、Jパワー、東光高岳、九電みらいエナジーを含む計101社の企業などが参画する事業者団体。50年カーボンニュートラルの実現、再エネ主力電源化に向けて、太陽光パネルのリユース・リサイクルなどに関する検討・提言を行っている。協会が実施した実態調査の結果では、発電事業者の大半が、卒FIT後も運転継続の意向を示しており、売電先の確保、賃借期間、パワーコンディショナーの故障、パネル劣化、受変電設備の劣化―などを発電継続に影響がある事象として捉えていることが分かっている。