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監視委 一送電効率化計画の進捗確認を開始

 電力・ガス取引監視等委員会は、今年度から新たな託送料金制度「レベニューキャップ制度」が導入されたのに伴い、一般送配電事業者の効率化計画に対する進捗確認を開始する。一送電各社が、23~27年度の第1規制期間における事業計画に織り込んだ、効率化計画の進捗を確認するため、これまで各社の収入見通しの検証・審査を行ってきた料金制度専門会合の下に「送配電効率化・計画進捗確認WG」を設置。規制期間の横比較に向けて、各社における送電・変電・配電ごとの個別プロジェクトを抽出した上で、経営効率化の観点から必要な個別プロジェクトの進捗が図られているか―などについて、取り組みを多角的に確認する。
 具体的には、〇各社の競争入札の状況や、経営効率化の取り組み、〇主要工事・品目ごとのコスト削減努力、〇施工力確保に向けた取り組み、〇コスト削減・施工力確保に向けた共通課題、〇デジタル化・機械化などによるコスト削減効果の発現状況―について、同WGを四半期に1回程度開催して確認する。一送電が検証対象として示した個別プロジェクトのうち、ミクロ的に検証する上で適切―と判断した事業については、現地視察を実施する考えで、今月以降、まずは東京電力パワーグリッド(PG)エリアから当視察を開始する見通し。現地構築プロセスでの送配電設備の実態・特徴や、効率化施策の適用状況を現地確認する。
 なお、東電PGが、検証対象の個別プロジェクトとして提案している効率化施策は、配電工事での元位置建替車両の適用に伴う効率化と、東清水線新設工事における送電ルートへの長径間適用による鉄塔基数の削減施策。このうち、コンクリート柱の取り替え工事において、元位置に建て替える場合に、従来の仮電柱を新設する工法に替えて、元位置建替車両を使用し、工事生産性の大幅な向上を図る施策では、費用ベースで27・6億円の効率化を事業計画に計上。航空測量によって得られる結果を活用し、中間鉄塔2基を削減することで、総工事費の低減を志向したルート検討が可能となった、東清水線の新設工事については、効率化額として、費用ベースで1600万円を計上している。