NEDO 浮体式洋上風力実証の認証制度検討
NEDOは、実海域での浮体式洋上風力に関する実証事業を円滑に進めるため、認証制度の在り方について検討する。洋上風力に関しては、「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」が20年に取りまとめた「洋上風力産業ビジョン(第1次)」で、30年までに10 GW、40年までに35 ~40 GWの案件を形成することを示しており、特に浮体式洋上風力については、近海の水深が急激に大きくなる日本において、実用化が必要不可欠―と指摘している。同風力の社会実装に向けてNEDOは、従来の要素技術開発に加えて、グリーンイノベーション基金による「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」を進めているところ。
同プロジェクトでは、これまでに東京電力リニューアブルパワー、関西電力などが参画し、要素技術の開発を4分野で実施。次段階として今年度から、関連要素技術を統合した浮体式実証を予定しており、都道府県からの情報提供を踏まえて、来月にも実証候補海域を確定。同実証の応募事業者に対して、候補海域から実証海域の選定、実施計画の作成・提出を求め、採択審査を経て実証事業者・海域(2か所程度)を決定する。一方でNEDOは、今後の実海域での実証事業をより円滑に進めるため、商用案件とは運用期間、設備のスケールなどが異なることも考慮した認証制度の在り方について、海外事例なども参考に検討する。
浮体式洋上風力の技術は、欧州でも未だ発展途上であり、安全性や低コスト化に多くの課題が残っている―とNEDOは指摘。同認証制度の検討と並行して、現在国内外で検討が進められている、次世代型浮体式洋上風力の技術開発に関する動向調査を実施する。グリーンイノベーション基金事業の先を見越した技術を抽出すると共に、その導入可能性やコスト低減率の適正な評価、導入に向けての課題を定量的に把握することで、国内での導入可能性を検討する。