中国電 EVサービスなどで国民運動を後押し
中国電力は、環境省が脱炭素に向けた国民運動として実施する取り組みに参画し、同社が提供する再生可能エネルギー由来の電気料金メニューと、電気自動車(EV)に特化したカーシェアリングサービスを「豊かな暮らしを支えるサービス」として登録した。既報の通り同国民運動は、国民・消費者の9割が脱炭素という用語を認知する一方で、そのために何をしたらよいか分からない―など具体的な行動に結びついていないことが、昨年実施した調査結果から判明したのを踏まえて開始した、官民連携による試み。国、自治体、企業、団体などが、脱炭素につながる将来の豊かな暮らしについて明らかにし、国民が体験・体感する様々な機会・場を提供することで、国民・消費者の新しい暮らしを後押しするのが主な目的。同省は、新しい暮らしを支える製品・サービスや、取り組みに関する情報提供を企業などに対して要請し、提供された情報を同国民運動を支える取り組みとして登録すると共に、同運動のポータルサイトやSNS、プレスリリースなどを通じて広く発信する。
同省は、同国民運動を企業などと共に効果的に進めるため、国、自治体、企業、団体、消費者で構成する「官民連携協議会」を同時に立ち上げており、電力10社など237社の民間企業、199の地方公共団体といった計566者がこれまでに参画している。このうち中国電は、同運動の一環としてこのほど、同社の再エネ比率100%の電気を提供する料金メニュー「ぐっとずっと。再エネ・グリーンプラン」と、EVシェアリングサービス「eeV」を、脱炭素化を後押しする取り組みとして登録した。同社がEVソリューションサービスとして手掛ける「eeV」は、平常時は自治体・法人・一般の人がシェアし、災害発生時には非常用電源として利用する、地域を支える交通システム。昨年4月からは、同サービスと太陽光の電力のみで運用するEVステーションを組み合わせた世界初の取り組み「完全自立型EVシェアリングステーション」の実証事業を広島県で開始しており、環境省が提唱する「ゼロカーボン・ドライブ」にも貢献する。車両の電動化と使用電力の脱炭素化を同時達成するモデル事業として、ソーラーカーポート(11・88㎾)、蓄電池(計38 kWh)、制御システムと、EV(日産リーフなど)で構成するEVステーションを同県立広島産業会館に設置した。同実証を通じて、課題の洗い出しなどを進めると共に、複数法人と周辺住民によるカーシェアの仕組みを活用し、導入コストの低減を図るほか、系統から分離・独立した同カーポートの商品化を検討する。
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