北海道電 G7会合踏まえて官民でテロ防止
北海道電力は、札幌市で来月開かれる先進7か国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合を踏まえて、泊原子力(計207万㎾)などの自社施設に対するテロの防止に官民一体で取り組む。ロシアによるウクライナ侵略に端を発する国際情勢の不穏化を受けた措置で、近年のテロの特徴である、国際的なテロ組織が手掛けるインターネットを用いた情報宣伝や扇動に影響を受けて個人が過激化する「ローン・ウルフ型テロ」などへの対応を、北海道警察本部や道、市町村などと連携・協力して進める。この取り組みで中心となるのは、道警が19年のラグビーワールドカップ日本大会や21年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に備えて設けたオール北海道の防災組織「テロ対策北海道パートナーシップ推進会議」。北海道電は18年に創設された同組織に参加してこれまで、官民合同でのテロ対応訓練のほか、テロの未然防止に向けた広報・啓発活動や検討会・研修会の実施、テロ情報ネットワークの構築、非常時映像伝送システムの構築、テロ対策相互協定の締結―などを進め、インフラ設備へのセキュリティ強化を図っている。
さらに、泊原子力が立地する泊村、共和町、岩内町、神恵内村の官民で組織する「テロ対策岩宇地域パートナーシップ推進会議」も先月、岩内署で開いた会議で、泊原子力のテロ防止に向けた取り組みを強化する方針を決定。今後、官民で危機意識を共有してテロの未然防止につなげる。