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エネ総研 浮体式原子力テーマに研究報告会

 エネルギー総合工学研究所は来月17日、第427回月例報告会をオンラインで開催し、産業界の有志で構成する産業競争力懇談会(COCN)のプロジェクトとして進められている、浮体式原子力発電の研究開発について2つの報告を行う。COCNに参画する東京電力ホールディングス(HD)から、経営技術戦略研究所の後藤章・副所長が登壇し「浮体式原子力発電検討状況の概要について」をテーマに報告。同研究開発メンバーの電力中央研究所エネルギートランスフォーメーション研究本部研究統括室の宇井淳・副研究参事が、経産、文科両省連携事業の「NEXIPにおける浮体式原子炉の研究開発」について解説する。
 東電HDの姉川尚史・フェローがリーダーを務めるCOCNの浮体式原子力プロジェクトは、福島第一原子力事故の教訓を踏まえて、地震や津波に強い原子力としてマサチューセッツ工科大学のGoley教授が発案した、浮体構造物内に原子力発電設備を設置する―というコンセプトに賛同して、20年から成立の可能性を検討。このほど最終報告を取りまとめており、同プロジェクトメンバーの後藤副所長は、洋上設置による揺動への懸念、崩壊熱の除去・運用・製造方法、規制への適合などの検討概要を説明する。
 さらに、同プロジェクトで抽出した重要課題について電中研は、経産、文科両省が進める原子力研究開発事業NEXIPの一環として研究を推進。同研究で検討した浮体式原子炉の安全系統、レイアウト、熱流動試験、安全評価、浮体式原子炉への展望―を宇井副研究参事が解説する。