東電設計 コンサル3社とウクライナを支援
東電設計は、日本のコンサル3社と協力し、ロシアによる電力施設などへの攻撃により国家存亡の危機に立たされているウクライナを支援するための緊急復旧・復興プロジェクトを開始する。侵略から24日で1年となる国際ルール無視のロシアの蛮行に対して「緊急的かつ長期的に同国の人道支援ニーズに迅速に応えるための特別の取り組み」(JICA)で、戦時下において当該国のインフラ復旧と復興を支援する「当機構として先例のない有事プロジェクト」(同)。東電設計が、日本工営、八千代エンジニヤリング、パデコと共同で今月より開始するJICA受託事業「ウクライナ国緊急復旧・復興プロジェクト」は、発電所への攻撃が今も続くウクライナの主要地方自治体(オデーサ、ミコライウ、キーウ、ハリキウ、ドニプロ、ヘルソン)の被害状況と電力供給の現状を調査によって把握した上で、阪神淡路大震災や東日本大震災などの巨大災害で発電・送配電施設の被災を経験した日本の貴重な知見と教訓を活かして、ウクライナにおいて電力供給システムを含めたインフラ復旧・復興計画の策定支援を行うと共に、復旧事業にも主体的に参加・協力して、破壊された都市基盤の本格的な復旧と各自治体の復興を支援する国際貢献事業となる。
既報のように、戦時下での取り組みとなることから、絶対条件として「プロジェクトに協力する日本の関係者の安全」を第一に置き、同プロジェクトは「邦人協力者のウクライナ入国を基本的に想定しない」ものとし、現地での調査活動などは全て、周辺国のポーランドまたはモルドバなどの第三国で行う。さらに将来、停戦や休戦などによって戦況が安定した後に、JICAが規定する安全対策措置上「関係者のウクライナ入国が可能」と判断し、支援先となるウクライナエネルギー省や同国送電公社などの要請により、業務受託企業の関係者がウクライナに入国する必要が生じた場合でも「適宜、プロジェクトに協力する発注者と相談の上、対応を検討する」ことで、事業協力者に戦禍が及ばないようにする。業務の詳細については1月18日号を参照。調査期間は今月~25年2月までを予定しているが、戦局の行方などにより当初計画が変更する可能性もある。