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関西電 大阪市に大阪府初の女性専用人間ドック

 関西電力は、受診率の低さが問題になっている「女性の人間ドック受診率のアップ」を目指して、大阪市の関西電力病院の隣接地に大阪府初となる、女性専用人間ドックを開設する。直近データとなる厚労省の19年「国民生活基礎調査」では、20歳以上で過去1年間に健診や人間ドックを受けたことがある人は、男性が74・0%であるのに対して女性は65・6%と、両者間には8ポイント強もの乖離がある。この背景として同省は、ジェンダーに起因する「男性と同じ施設で受診することへの抵抗感」、さらに「女性専用の受付時間枠を設けている医院・クリニックが少ないこと」(大臣官房統計情報部社会統計課)を指摘する。この一方で、医療費の増大が社会問題となる中、各企業の健康保険組合は、疾病の重篤化を防ぐ効能を持つ人間ドックの受診を推奨しており、こうした社会課題への対応として関西電は、自社グループで有する医療分野を中心とした豊富な知見を活かして、女性専用ドックの開設を決めたもの。
 建設地は、関電不動産開発が所有する関電病院の隣接地(市内福島区)で、既報のように関西電グループが水都大阪のシンボルである中之島周辺で進める再開発事業の一環として、関電不が建設主体を務めると共に新施設の所有者となる。さらに、施設で使用する検査機器類は、関西電グループの関西メディカルネットがリースするほか、開業後に同施設で人間ドックを利用した者が精密検査をする必要になった場合には関電病院で対応するなど、グループ大での取り組みとなる。施設名は「中之島クリニックレディースプラザ(仮称)」を予定しており、運営は、医療法人「知音会」(京都市)に委託する。勤務する医師や看護師は全て女性とし、広く関西圏全域から利用者を迎える。開業は来年3月を予定しており、初年度は1日あたり40人を目安に受診を行うが、将来的には70人にまで受け入れを拡大する。新施設が近接する中之島エリアは、再生医療をベースにゲノム医療やAI活用など最先端医療を集積させた「未来医療国際拠点」が6年に開設されるため、関西圏における新たな医療拠点として注目されており、関西電グループによる女性専用人間ドックも、大きな話題を集めそうだ。