JAEA 事故耐性燃料の開発状況を広く共有
日本原子力研究開発機構(JAEA)は今月21日、東京都文京区の武田先端知ビル武田ホールで、事故耐性燃料(ATF)開発に関するワークショップを開催する。東京大学大学院工学系研究科と、JAEA原子力基礎工学研究センターの共催で、原子力事故への耐性が高い国産の新型燃料の開発状況について、産学官の関係者が一堂に会して共有すると共に、国内での導入を巡る課題に関し、解決方策の方向性を議論することを目的に実施するもの。原子力の継続的な安全性向上の観点から、JAEAは東京大とATFの開発を進めており、両者の代表者がATF開発について紹介・解説するほか、更田豊志・前原子力規制委員会委員長が登壇して「ATFの挑戦」を演題に基調講演を行う。
福島第一原子力事故を受けて、事故時の事象進展を遅らせると共に、水素発生量を低減するATFの開発が世界的に進められている。国内で同開発に取り組むJAEAは、海外に後れを取らないように研究開発を進めるには、ステークホルダーが開発課題などを共有し、効果的に連携することが重要―と判断。同ワークショップの開催を通じて、ATF開発のさらなる推進を図る考えで、「燃料分野のイノベーションにおけるリスク情報の活用について(仮)」をテーマとしたパネルディスカッション・総合討論の時間も設けて、一般も含めた多くの人の参加を期待している。